❼自動運転時代に向けた路車協調実証実験

本年6月20日、NEXCO中日本は新東名高速道路(建設中区間)で5月13日に開始された「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」の様子を報道陣に公開しました。高橋茂仁の筆名で活動する本誌副発行人の鈴木茂仁が、当日の様子をリポートします。

NEXCO中日本は、自動運転時代の安全運転を支援する技術「路車間通信」(他車近接情報の後続車に通知)の実証実験を新東名高速道路新秦野インターチェンジ(IC)~新御殿場IC間の一部区間(一般区間2・8km、トンネル区間3・1km)で開始しました。

今回の実験では、①路面で発生した障害情報(落下物・事故など)を後続車に即時通知するとともに、道路側監視カメラで確認された路面状況から分析された追加情報の通知、②道路側アンテナで収集された通過車のブレーキ・ワイパーなどの作動情報により解析された道路の気象や路面の状況変化を後続車に通知、③自動車積載のセンサーが検知した区画線のかすれ・剥離の情報を解析し、自動運転から手動運転への切り替えを後続車に通知、④自動運転機能の故障などにより路肩に緊急停止した車両を遠隔操作により最寄りのICやSAなどに誘導、⑤分析された前方の交通状況(渋滞・通行止めなど)に応じ、適宜適切なルートを後続車に通知(提案)、⑥分析された前方の交通状況に応じ、最適な車線、速度、車間を後続車に通知(提案)、⑦各車両から目的地情報を収集し、目的地ごとの追随走行(マッチング)や車両の台数と車間などを管理、というNEXCO中日本提案の7ケースに加え、参加する企業・団体から提案のあった3つのケースを加えた10種ユースケースの実証実験が進められています。

今回の報道公開では①と④についての実証実験が取材陣に披露されました。

①は先頭車両が故障して走行車線に停止して故障情報を発信した想定で、自動運転で走行する後続のトラックはその情報を受信、車線変更減速しながら故障車を自動で回避する様子が紹介されました。④は自動運転機能の故障などで路上に停止した車両を、遠隔操作をしながら路肩に誘導する様子が紹介されました。いずれも高速道路上で頻発している追突事故が大きく減少することが期待できる画期的な技術であると感じました。一連の実験で得られた成果は、高速道路の安全性を劇的に向上させるものばかり。高齢化著しい日本において、国益に資する重要な実験であることを痛感しながら、帰路についた筆者でした。

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