「あだち菜うどん」を味わい尽くす!

足立区の新ご当地名物として人気急上昇

近年足立区のご当地グルメ「あだち菜うどん」が人気を集めています。足立区の若手経営者が地域おこしを目的に創作したこの料理は、足立区産小松菜を用いた地産地消メニューで、足立区内を中心に各地の飲食店での取り扱いが広がっています。鉄分や亜鉛などミネラル成分が豊富なため、ヘルシーフードとしても人気の「あだち菜うどん」。読者の皆様にも強くお勧めしたい逸品です。

2012(平成24)年6月に東京商工会議所足立支部の主導により、“地産地消”をテーマに地域活性化や足立区のブランディングを目的にした団体「足立新ご当地グルメ創造プロジェクト」が動き出しました。

会員は足立区内で事業を営む企業や若手経営者で、①40か所を超える製麺所がある麺づくりの街・足立区の特長を生かしたものとする、②足立区内で古くから栽培が盛んな産品を用いる、という観点で検討が重ねられました。その結果、誕生したのが足立区産の上位品質の「小松菜」と「うどん麺」をブレンドした「あだち菜うどん」です。

実は足立区は中世から生鮮野菜の栽培が盛んな土地柄で、特に足立界隈の小松菜は徳川家光公(江戸幕府三代将軍)からも高い評価を獲得していたと伝えられており、知られざる小松菜の名産地なのです。

同年8月にプロジェクト会員が被災地支援の一環として岩手県大槌町で「あだち菜うどん」を提供したところ大好評を博すとともに、同年11月に開催された「第3回都内農林水産物を使用した料理コンクール」では「あだち菜うどん」が最優秀賞を受賞したことから、会員は新ブランドの展開に確かな手ごたえを感じています。

これを受け翌2013(平成25)年3月にはプロジェクトは「あだち菜うどん学会」(以下「学会」)に名称変更され、「あだち菜うどん」の本格的な製品化が開始されました。生の小松菜をうどんに練りこむ「あだち菜うどん」は、麺を茹でる際に小松菜の色素が湧出するため、製麺所での製造工程やライン確保には多大な苦労があったとのことでが、同年4月には「あだち菜うどん 業務用生麺」の製品化に成功、飲食店での取り扱いが開始されました。

あだち菜の色素が流出するため、当初製造工程の確保には苦労があったという。
あだち菜の色素が流出するため、当初製造工程の確保には苦労があったという。

カルシウム含有量はほうれん草の3倍以上とされる小松菜ですが、「あだち菜」は鉄分や亜鉛などミネラル成分が特に多く含有されており、「あだち菜うどん」は濃く鮮やかな緑色をしています。食感もモチモチとしており、味わい深い逸品に仕上がっています。

2016(平成28)年4月には都内乾麺製麺所と区内福祉施設が協同で「あだち菜うどん おみやげ乾麺」の製造を開始しています。92℃の熱湯で材料をこねる伝統の「湯捏ね製法」で仕込み、通常の4倍時間をかけた「熟成乾燥」でじっくり仕上げた乾麺(100グラム中)に50グラム以上(生換算)の「あだち菜」をパウダー・ピューレとして練り込むことにより、着色料を使わずに鮮やかな色合いと風味を実現しています(パウダーには福祉施設で加工された「あだち菜パウダー」が使用されています)。

出荷直前の「あだち菜うどん」の生麺タイプ。業務用で飲食店に卸売りされる。
出荷直前の「あだち菜うどん」の生麺タイプ。業務用で飲食店に卸売りされる。

この乾麺うどんは小売店での市販を前提としたもので、パッケージは歌舞伎でお馴染みの「助六」をモチーフとした和風モダンなものとされました。さらに、2017(平成29)年には「あだち菜」と「乾麺パスタ」をブレンドした「あだち菜パスタ」も製品化されており、「業務用生麺パスタ」のほか一般市販品として「おみやげ乾麺パスタ」の販売が開始されました。

「あだち菜うどん」の生麺は、足立区役所14階レストランの「ソラノシタ」、都市農業公園のレストハウス「キッチンとれたて」、足立市場「たけうち」、西新井の「魚人」、綾瀬「バハティー板花」、綾瀬「はくせん」、牛田「雑賀屋」、学士会館(千代田区)1階の「旬菜寿司割烹 二色」などの飲食店で提供されています。一方、乾麺は「イオン西新井店銘店コーナー」、農産物直売所 「あだち菜の郷」、ギャラクシティ売店などの店舗で取り扱われています。

学会の松山卓司理事長は、「あだち菜うどんを、日本を代表するグルメに育てていきたい。そのためにも、引き続き販路拡大を進めていく」としています。販売店、取扱店は随時拡大中です。詳細は学会のホームページ(https://adachina.tokyo/)をご覧ください。

学会の現理事長・松山卓司さん(左)と初代理事長・渡井良昌さん(右)。
学会の現理事長・松山卓司さん(左)と初代理事長・渡井良昌さん(右)。

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